『いなかみ』 第12回文学フリマ出展予定(なかば)

 こんにちは、SUMMER CAMP宴会部長担当のなかばです。

 今回は第12回文学フリマ出展予定の個人本『いなかみ』の紹介です。
 テーマはずばり『昭和ショタ』、SUMMER CAMPのテーマ「夏+少年」に、さらに足すことの「昭和の香り」であります。
 昭和ショタ。そのようなジャンルがあるのかどうかわからんのですが、やってみました。

 朴訥さと危うさを兼ね備えた少年て……カモがネギ背負ってるようなもんだと思いませんか? や、カモがネギ背負ってるような少年てやぼったいですねえ。何か違った。少年のまっすぐさ、内に秘めた熱、ひと夏の儚さ。そんな三点セットが「昭和ショタ」だと思います。

 最近みた映画なら、『那須少年記』の太賀くん!(未見の方は是非)
 わんぱくでもいい、たくましく育ってほしいんです。この眼差しに射抜かれました……。こんな眼差しを持てるのは、長い人生のほんの一瞬だけではないでしょうか。


 また、『いなかみ』では、人の内的世界としてのファンタジーも描いています。
 それを成長と云ったり、心の深淵と云ったり。呼び方でとらえ方も変わりますが。
(他のメンバーはSF担当だったり、リアショタ担当?だったりするんですが。自分は宴会部長兼、ファンタジー担当かなあ。キャラづけ)

 子供のころは、身の回りに危険や受け止め難い現実が、いっぱいありました。
 病気や、親の離婚。場合によっては戦争や差別かもしれません。少年はそれらを回避したり、乗り越えるすべをまだ経験としてもっていません。
 そこで、内的世界を構築し、現実と対比してとらえ直す。元来、ファンタジーとはそういうものでした。
 魔法やドラゴンなんかが華々しく出てくる夢モノガタリへの逃避ではありません。少年にとってファンタジーとは死と隣り合わせの世界。ドラゴンの炎に焼き殺されることと、熱病や戦火に死ぬことと等価である。未来、命、自己をとした戦いなんだと思います。

 子供のころは、神さまがいて〜♪ とユーミンもうたってるぐらいですし、大人になっては体験できなくなった何がしかを……あの夏の日を、少年たちとともに追体験していただけたら、と思います。

 花火師見習いの少年と、狐面をかぶった少年。
 二人の目に大輪の花火が散る――。
 少年たちの一夜の交友をあざやかにうつす『硝煙』など。
 物語を2編(『香具師』、『硝煙』)と、挿話を1遍(『イナカミ』)収録しています。

 6月12日(日) 第十二回文学フリマ SUMMER CAMPのブースに是非お立ち寄りください。前回のジン太くんエントリで、配置も出てます!

文学フリマ公式サイト

(なかば)